大学受験勉強はいつからはじめる?

大学受験勉強っていつからはじめたらいいのでしょうか。

高1入ってすぐ

高2の夏から

高3の春から

高3の部活引退後

予備校も宣伝をみても、先輩の体験記をみても時期はさまざまです。いったい何を信じたらよいのかわかりませんよね。「早くにはじめたほうがいい」と合格体験記に書いている人もいます。最近は中高一貫校に通っている生徒が中学生のうちから受験勉強をはじめている、ということも。

本記事では、大学受験勉強をはじめる時期と、その理由、おすすめの勉強スケジュールについてお話しします。

ベストな受験勉強開始時期は?

一般的なアンケートではこのようになっています。高3の春から夏休み前にはじめる人が多いようです。

受験勉強をいつからはじめた?(※スタディサプリ進路 合格体験レポート2008年アンケートより)

高3ではじめている人が多いようにみえますよね。しかしこれには1つ問題があります。そもそも何をもってして「受験勉強」といっているのかがわからないのです。

そもそも「受験勉強」とは?

まず受験勉強の開始時期を考えるにあたって、「受験(のための)勉強」の定義が必要です。小学校・中学校の勉強は、「学校の予習・復習」と「受験勉強」は明確に分けられていたと思います。

しかし高校の勉強は、学校の予習・復習がそのまま「大学受験のための勉強」につながるものがたくさんあります。たとえば学校で毎週英単語テストがあるとします。高校が何のために英単語テストを行っているかといえば、大学受験のためですよね。でもその英単語テストのために一夜漬けで覚えてしまうのと、受験のためにきちんと覚えるのとでは異なりますよね。前者はテスト後に忘れてしまったりするので、「受験勉強」とはいえません。

実際英単語の勉強だけでは「受験勉強」とつながりにくいかもしれません。しかし「英単語を暗記」することは「初見の英語長文を読むときの準備」になるのです。ですから、受験勉強として意識して覚えていなくても、きちんと暗記している場合には「受験勉強の1つ」と言えるのではないでしょうか。

このブログでは、学校の予習・復習、塾・予備校の勉強などすべての中で、「大学受験を目的とした勉強(行動の伴っているもの)」を「受験勉強」と定義しようと思います。

志望校によって受験勉強開始時期は変わる?

予備校の広告やブログなどで、「早慶に受かるなら高1から受験勉強をはじめる」「MARCHに合格するなら高2の春から勉強をはじめたほうがいい」など書かれています。しかし、実際志望校によって受験勉強の開始時期が変わるのでしょうか?おそらく「平均をとったら」そのぐらいになるのかもしれません。

わたしが思うに、志望校によって受験勉強開始時期が変わるということはないです。変わるのは「志望校と自分の実力の差」によります。さらに詳細にいうと「志望校に合格するために自分に必要な勉強量とその勉強に必要な時間」です。特に高校生は「通学時間」「部活の活動時間」が人により異なります。

たとえば高2で部活をやっていなくて、通学時間が30分の生徒であれば、23時に就寝するまでに毎日4-5時間は勉強できます。一方高3で部活を毎日18時までやっていて、通学時間が1時間の生徒であれば、勉強できる時間は毎日1、2時間でしょう。

さらに必要な勉強量は人それぞれです。理系で数学が得意な子と不得意な子であれば数学に必要な時間が変わります。数学が苦手であれば、高1の最初から復習をしなおさなければならない子もいます。

これだけの差が人それぞれあるにも関わらず、「この志望校なら高2から受験勉強をはじめたほうがいい」というようにくくるのは無理があると思いませんか。ということはいつからはじめるかを決めるためには、自分にとって「必要な勉強量」「使える時間」を確認することが必要です。

大学受験スケジュール

受験勉強の開始時期は「志望校に合格するために必要な勉強量とその勉強に必要な時間」によって異なる、と書いておきながら、「大学受験必勝スケジュール」があるというの矛盾しているように見えますよね。ここでわたしが伝えたいのは、ゴールから逆算したスケジュールです。

大まかなスケジュールですが、高3の9月以降には志望校の過去問レベルの演習が必要です。それに間に合わせるようにするために、高3の9月までに受験科目の演習ができるレベルまで引き上げておきます。そして私立志望であれば3教科、国立志望であれば5教科が必要だと思います。高校の勉強は1教科の勉強時間が長く必要になります。学校の定期テストの勉強で1教科にかける時間をイメージしていただけるとわかりやすいかとは思いますが、きちんと勉強していると時間があっという間に過ぎてしまいます。そして難しい問題を解けばとくほど長い時間が必要です。したがって、部活をやっていなくて勉強時間が比較的とれる子でも、1日に1、2教科しか勉強時間はとれません。

となると時期によって教科の強弱が必要になります。一般的には主要科目(英数国)を高2のうちに、高3で選択科目(理社)をとなるわけです。

                            英語・数学・国語は高2の終わりまでに基礎を固める

ここでは高2の終わりまでに固めるべき基礎について詳しく説明をしていきます。文系か理系か、私立志望か国立志望か、苦手科目か得意科目かによって細かく変わってきますので、ペースの参考にしてみてください。

英語

英語の基礎というのは「初見の長文が読めるようになる」ところまでです。初見の長文が読むためには、「英単語」と「英文法」の習得が必須です。2021年から始まった「大学入学共通テスト」では英文法は出題されないことになっていますが、文構造を理解するためには英文法の知識は必要です。

英語は数学のように学年で履修範囲がきまっているわけではありません。小学生が英検2級に合格するくらいですから、学年の分けめはないのです。ですからできるだけ早くに勉強をすすめることができます。

英単語や英文法の勉強方法については別の記事で解説します。

数学

数学は学年で履修範囲は決まっていますが、先取りで学習できる科目です。進学実績のある私立の中高一貫校では、中3のうちに高1の範囲の単元を開始し、高2の終わり、遅くとも高3の7月までに高校の全範囲の学習をおえています。高2の1月までに数学1A・2Bの範囲は大学入学共通テストが解けるくらいの実力が必要です。そして高2の1月以降は理系であれば数学3Cの基礎と演習、文系は数学以外の科目に時間を使いましょう。

国語

主要科目というと英語と数学が注目され、早くから手をつけることのない教科になりがちです。しかし現代文は受験勉強全体の成否をわけるといっても過言ではない科目です。

たとえば英語の長文問題は、ほとんど「英文が読む」+「読解」の2つでできています。「英文を読む」ためには、語彙力(英単語)と英文法知識が必要です。そして「読解」は国語力なのです。よく模試の復習をしていて、長文の訳はほぼできているのに、読解の設問で間違えている人がいます。この場合は英語の勉強より読解力(現代文)をつける勉強をしたほうが成績があがることが多いです。

またすべての科目は日本語で行われます。日本語の読解力の早さで勉強のペースが決まります。毎日少しずつ勉強するのが難しければ、長期休みで集中して現代文の勉強をしてみてはいかがでしょうか。

高3は理科・社会と演習

定期テストの勉強を思い出してください。理科や社会の科目を勉強しているとあっという間に時間がたっていたりしませんか。英語・数学と比べて細切れに勉強しにくいのが理科と社会です。この教科を勉強するときには、ある程度まとまった時間をとって勉強したほうが効率よく勉強できます。となると、理科・社会を勉強するときに英語・数学・国語の勉強も一緒にやろうとすると時間が取りにくくなります。英語・数学・国語を高2のうちに終わらせておくと、理科・社会に勉強時間を集中させやすくなります。

また理科・社会は、暗記する量も多くなります。暗記科目は直前まで勉強していたほうがいいので、高3で勉強するというのは理にかなっているといえます。

そして高3の9月以降は受験で主につかう3教科(場合によっては4教科)の私大・国立二次レベルの演習です。これも1つ1つに時間がかかりますが、このころには部活も引退し、勉強時間もとりやすくなっているはずです。時間をかけてじっくりと取り組みましょう。

ここまで書いてきましたが、キーポイントとなるのは、高3で取り組む「志望校過去問やそのレベルの演習」です。これができるようになるために、高1・高2から準備をするということなのです。その準備には、その人の現時点の学力により必要な勉強量・時間が変わってきます。ですからいつからはじめたほうがいいかといえば、「高3のスケジュールから逆算して間に合うように」というのが一番正確な言い方になるのではないかと思います。

勉強と同時に夢・目標を定めよう

勉強のスケジュールも大事ですが、将来の夢・目標を定めることも大切。将来の夢・目標が定まっている人の方が頑張りがきき、志望校に合格しやすいのです。

ある生徒はご両親が早稲田大学ご出身で小さいころから早稲田大学のことをきいていました。自然と本人も早稲田大学を第一志望にしていました。勉強も高1のころから予備校に通って真面目に勉強していましたが、早稲田大学の合格には遠い状態でした。しかし彼女は自室の机には早稲田大学の過去問を並べ、時に「都の西北」をくちずさみ、大学のパンフレットをみながら、勉強を続けていました。結果、見事早稲田大学文学部に合格しました。ちなみにMARCHレベルはすべて不合格でした。過去問の演習も早稲田大学ばかりやって、他の大学はおろそかになっていた可能性が大いにありますが、模試の結果をみても惑わされず勉強し続けられたのは本人の志望校への意志が強かったからに違いありません。

本来、夢・目標というのは「どういう人間になりたいか」というところから考えていくべきだと思いますが、日本の場合高校2年生の進学時にまず選択科目で「文系か理系か」を選ばなくてはなりません。科目による選択がまず第一なので、「なりたい職業」よりも「受験における得意不得意科目」で選択をしがちです。できれば、高1のうちから大学のこと将来のことをいろいろ調べ、「ないたい職業」「将来の夢」から選択科目をきめられたらいいなと思います。

そしてもし高2の選択科目と将来の夢や志望学部に相違があるのであれば勇気をもって「自分がどうしたいのか」を保護者や学校の先生と話しあってください。

【コラム】予備校・塾の「逆転合格!」に惑わされないように。

予備校や塾のホームページや合格体験談にかいてある「逆転合格!」。これはこの塾・予備校のカリキュラムで誰でも可能なわけではありません。その生徒の実力と志望校、塾・予備校のカリキュラムが偶然にもぴったりあった結果です。

たとえば映像授業を使っている予備校であれば、高3であっても高1のカリキュラムからやり直しができたり、部活引退後から講座の第1回目の授業をうけられたりします。しかし、カリキュラムが組めることと、そのカリキュラムの内容を身に着けられるかは別です。授業速度がはやければ早いなりについていく力が必要です。それこそ元々「頭の回転が早い」「読解力がある」「コツをつかむのがうまい」と言われる生徒たちです。そういう子でなければ、逆転合格に必要は勉強量をこなすことは難しいのです。

そして合格している子のほとんどは、逆転合格ではなく、コツコツと積み重ねて合格を勝ち取っています。予備校・塾にはコツコツと積み重ねて合格を勝ち取った子がたくさんいるにも関わらず、「逆転合格」のほうがドラマがあって目立ちやすいのです。ですからそういう派手な合格体験談に惑わされず、地道にコツコツ勉強してきた先輩の合格体験談を参考にしてみてください。

【まとめ】受験勉強はいつからはじめる?

いかがでしたか。ここまで読んできて「自分も間に合うのかなぁ」と不安に思った人もいるかもしれません。もしそう思ったら「今すぐ」受験勉強を開始してください。今まで志望校に合格している先輩たちはみんな大学合格スケジュール通りに順風満帆に勉強ができたわけではありません。さぼったときもありますし、スランプに陥ったときもあると思います。でも早くに開始した人のほうがフォローがしやすいのも事実なのです。

高1、高2から「高3の夏休みのように」勉強しろというわけではありません。受験スケジュールから逆算して、自分に必要な勉強をすすめてみてくださいね。

本記事のまとめは下記の通りです。

  • 大学受験開始のベストな時期というのは人それぞれ
  • 少なくとも高3の9月には過去問レベルの演習ができるように逆算スケジュールをたてる
  • 高2の終わりまでには英語・数学・国語の基礎を固める
  • 現代文の読解力はすべての受験科目の土台になるのでおろそかにしない
  • 勉強するのと同時に将来の夢・目標を考えよう

みなさんが自分の行きたい大学・学部にすすめるよう心から願っています。