こんにちは。Sophia SalonオーナーのSophiaです。実はわたし3年前まで別の名前でブログを書いていました。
最後の記事は2018年5月15日でもう3年も更新をしていないのですが、最後の記事がいまだに「いいね」がついています。
この最後の記事
を以前より丁寧に説明したいと思います。
ちなみにここでいう「塾・予備校」というのは受験を目的とした塾・予備校のことです。補習塾は考え方が違いますのでご注意くださいね。
理由①「質問=授業を理解できなかった」ということだから
勉強は「わからないところがあったらすぐに聞きに行きましょう」と言われますよね。
だから塾・予備校選びの基準として、「わからないことがあったらすぐに質問ができる」ということをポイントにしている生徒さんも多いです。しかし、塾・予備校の授業の作り方がわかっていると、このポイントは最優先ではないことがわかるはずです。
塾予備校の授業とは
塾・予備校の授業は、「生徒が授業を受けて、100%理解できるようにする」ことが前提で作られています。
これを聞くと「そんなの当たり前」と思いますよね。しかし、プロの目からみると「100%できている」という状態からほど遠く、「できているつもり」状態であることのほうが多いのです。特にわかりやすい講師の授業ほど「わかったつもり」「できたつもり」で陥っていることが多いのです。
本当の「100%できている」という状態というのは、講師と同じように説明ができるほど理解ができている状態なのです。「わかったつもり」「できたつもり」の生徒に、授業で習ったことを説明するように促すと、まったく説明ができない、あるいは、しどろもどろの説明になります。
1回の授業でそこまでできるようになるには時間が足りなさすぎる。
もしそう思うのであれば、授業と今の自分のレベルが合っていないことが考えられます。
成績が伸びる授業のレベルとは
みなさんは塾・予備校の授業を選ぶ時にどのような基準で選びますか。
志望校?今の学力?
まずは今の学力で選びましょう。とはいえ、今の学力で正しい授業が選べているでしょうか?
わたしが予備校で担任をしていたとき、生徒の学力に合わせて授業の提案をしていました。
その時ほとんどの子が「思ったより授業が簡単」と感じていました。実際、「この授業は簡単すぎるから、もっとレベルの高い授業をうけたい」と言われることが多かったです。
なぜ生徒が簡単と感じるのか?
それは本人にとってその授業の内容が「聞いたことがある」と思うからです。学びって「新しいこと、難しいことを知ること」ですよね。でも、学力を伸ばすためには、「聞いたことがある」ことを「わかった」「できた」「再現できる」にする必要があるのです。ほとんどの生徒は「聞いたことがある」が「わかったつもり」「できたつもり」で留まっています。
厳しいことをいいますが、テストで再現できないような知識の習得をいくら積み重ねても、結果に結びつけることはできません。それよりも今「つもり」になっている知識を「再現できる」ところまで身に着けることが学力アップの鍵なのです。ですから自分のレベルに合った授業というのは、少し簡単かなと思うくらいでちょうど良いのです。
講師にとって授業後に質問がくるのは恥!?
先ほど「塾・予備校の授業は生徒が授業を受けて、100%理解できるようにすることが前提で作られている」という話をしました。これが前提であるならば、講師の役割は
授業で生徒を100%理解させる
ことになります。だから授業後に質問がくることはあり得ないのです。
先日のブログでも書きましたが、現代文の林修先生ははっきりとおっしゃっています。
予備校で授業後に生徒が質問に来るような授業は、自分の説明不足が招いた結果であり力不足と判断している。授業後に質問が出ない授業を正しい授業としている。(受験必要論 人生の基礎は受験で作り得るより)
林先生だけでなく、他の予備校講師も「時々予備校講師の中には授業後に、生徒に囲まれて質問攻めに合ってることを喜んでいる講師もいるんだよね(苦笑)。よい授業をすれば、生徒は質問に来ないし、それでも来る生徒はくだらない質問をしてくる。そんなことをせず今すぐ家に帰って勉強してほしい。」とはっきり言っています。
一流の先生ほど、自分の指導力に自信をもっていらっしゃいます。わたしがいうことではありませんが、とても努力されています。ですから、授業後に生徒が質問にくることは「ありえない」ことなのです。
理由②「質問時間=勉強時間」の思い込み
なぜ質問をしに行こうと思うのでしょうか。それは
質問に行く生徒=良い生徒
という思い込みがあるからです。たしかに授業の内容+αの質問をすることはいいことだと思うのです。ただほとんどの場合が「質問するという行動」がいいことだとしか思っていません。
しかし前述のように、塾・予備校が
「生徒が授業を受けて、100%理解できるようにする」
ことが前提であるならば、質問するという行動は必ずしもいい行動というわけではなくなります。そうすると「成績をあげるために必要な行動をしている」わけではありません。しかし、質問をしている本人は「質問している=勉強している」と勘違いしているのです。
質問をしている生徒としていない生徒の違い
一方、質問をしない生徒は授業後何をしているのでしょうか。
授業の内容を復習する
次の授業の準備をする
家に帰る
他にもいろいろあるかと思いますが、勉強をする時間か、勉強をしない時間のどちらかです。勉強をせずに家に帰ったとしても、家に帰っている時間を「勉強している時間」だと思っている人はいないでしょう。
質問をしている生徒は「質問している時間」を勉強時間だと思い込んでいることが一番の問題なのです。そしてたいがい、質問をする生徒は毎日質問をしにきます。わたしがいた予備校でも毎日質問をしに受付にくる生徒がいました。ほぼ毎日います。それもたいがい世間話もしていくので、5分とか10分とかの話ではありません。
この時間が積み重なっていけばどうなるか。仮にその時間ずっと勉強している生徒と比較したらどれだけ勉強時間で差がついているか想像してみてください。
1か月に月曜日から金曜日まで毎日質問しているとしたら
10分×5日×4週間=200分(3時間20分)
1か月で3時間、1年で36時間も差がつくということです。今は1日10分の質問時間で計算していますが、15分とか30分とか受付に居座る生徒はどれだけ時間を無駄にしているんでしょうね。本当にもったいないと思います。
いい質問とは
ここまで書くと「質問しちゃいけないってこと?」と思われる方もいるかもしれません。しかしそうではなくて、「なんでも質問しちゃいけないよ」ということなのです。
先の予備校講師が「生徒がくだらない質問をしてくる」という「くだらない」というのはどういうことかというと
自分の頭で考えればわかることを聞きに来る
ということなんです。要は「頭を使わないでいる」ってこと。勉強は頭を使わなければなりません。それなのに頭を使わなければ、勉強していないのと同義なのです。
ではどういう質問がいいのでしょうか。わたしが思ういい質問というのは下記のようなものです。
自分の考えとの違いを聞く
これにつきます。しかし、これもしていいのは最初のうちだけ。過去問を解くような段階で自分の考えと模範解答の違いがわからないようであれば、点数はとれません。日ごろから、講師の解説と自分の考えがどう違うのか、なぜ異なるのか、を考え、その差を埋めていくことが重要です。
【コラム】本来は「質問することはいいこと」
ここまで書くと「質問してはいけないのか」と思ってしまいますが、本来質問をすることはよいことなのです。例えば、「先輩の話を聞く」とか「〇〇セミナー」などでは積極的に質問をしていいと思います。本来、人の考えや意見には「正しい答え」はありません。だからこそ、相手の考えをさらに掘り下げて聞いてみたり、自分の考えをぶつけてみたりすることは大切なやりとりだと思います。
しかし予備校は「授業で100%理解する」ということを前提としているので、質問をすることが必ずしもよいことではない、ということになります。
またこれは塾・予備校でのお話ということで書きました。補習塾の場合には質問をさせることで生徒の理解度をはかることもあります。
これから先いろいろなセミナーやイベントに参加すると思います。その時にはぜひ前の方に座って、一番最初に質問をしてみてくださいね。
【まとめ】塾予備校でたくさん質問をする生徒は成績が伸びない
今回は以前のブログのより詳細に書いてみました。
こう読んでみると、塾・予備校を選ぶ基準として「質問できる」が最重要のポイントではないかもしれませんね。ではどういう基準で選ぶといいのか、その点についてはまた別の記事で書きたいと思います。
本記事では下記の内容でお話ししました。
- 塾・予備校の授業は授業内で100%理解することを前提としていること
- 質問をしなければならないのであれば、そもそも授業のレベルが合っているかどうか検討する余地あり
- 講師も授業後に質問がでないことが最善の授業であると思っている
みなさんの成績アップのヒントになればうれしいです。
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